「落合・東中野KAZANTIP Republic」とUKレイヴカルチャーからの影響について

今月末、bums tokyoでは当サイトを運営する「neonap」が主催する”落合・東中野KAZANTIP Republic”なるイベントを開催予定です。

それに合わせて落合KZMagではここ最近で最も影響を受けているカルチャーの一つ「UKレイヴ」について書き記したいと思います。

英国のスクワット・レイヴ
イギリスでは、街のクラブが次々と閉店するなか、倉庫や無人の建物をスクワットしたレイヴパーティーが開かれ、若者たちから人気を集めている。ドラッグによる死亡事故や暴動など悪い面ばかりがメディアで報道されるなか、パーティーの当事者は何を求め、何を想うのか。現代の英国レイヴシーンに迫る。原題:Inside the UK'...

まずはVICE japanによる2016年に公開されたこの動画を見て頂きたい。

2024年現在から振り返ると8年も遡ることになるが、コロナ禍を迎える以前の当時のイギリスでは90年代に隆盛を極めたセカンドサマーオブラブや、madchester movementの再来を予感させる熱を感じ取ることができる。

当時のイギリスでは世界的に著名な箱として知られる「fabric」が、10代の少年のオーバードーズによる死亡事故を受け営業停止に追い込まれる事態となっており、それに端を発して行政によるクラブの営業ライセンスの停止や警察による取り締まりがかなり厳しいタイミングであったことも同時に見てとれる。

アンダーグラウンドカルチャーとは常に行政との対立構造の中で熱を帯び、その都度勃興するものだ。

UKレイヴシーンも同様に、締め付けが厳しくなればなるほどその合間を縫うように、まるで合法と非合法の狭間でイタチごっこを繰り返しながらゲリラ的にイベントを開催し文化として存続してきた背景がある。開催できるかどうか、警察によるガサ入れでの一斉検挙のリスクと隣り合わせにあるスリリングな体験も含めてレイヴというのは一種の麻薬的な魅力があるのだろう。その場で流れる音楽は時代と共に様変わりしているが、その場を構成する人々のマインドやら熱量といった物は70年代のアメリカから渡ってきたオールドスクールなカルチャーやそれらに付随するものとなんら変わらないように見える。

個人的にはそんな熱量を孕んだ状況を作り出せたり、自分としてその場にいたい、その状況を構成する一因(一員)として存在したい欲求もあるが、日本でそうした活動をすることはこれまた中々難しい。場所や文化、国民性の違い、はたまた法律などそれらを取り巻く環境の差を上げればキリがないし、そもそも法律を犯してまで開催するに至る熱量であったり、リスクを考えたときに及び腰になるのは仕方のないことでもある。この国の教育はそうした部分では皮肉にも機能しているのだろう。皆勤勉で真面目なのだ。

であればせめて、そのシーンを構成した人々のようなファッションやら音楽、アートなどを自分たちなりにオマージュし、どうしたら外部からのプレッシャーから解放された状態でそれらを体現できるのか。

その最適解になり得るイベントとして、8/26から「落合・東中野KAZANTIP Republic」と銘打った企画を開催します。本イベントは「映像」「記録」「メディア」をテーマに様々な角度から「落合・東中野」というエリアを通してカルチャーを発信できるかの実証実験たるイベントになります。

数人の若手映画監督や、グラフィックデザイナー、俳優などか参加し、各々が今発したいと思う「カルチャーとは」「自分たちが影響を受けた文化」をテーマに沿って表現する場となります。
それはまるで本記事の主題である「UKレイヴカルチャーの影響」にある、当時のイギリスで隆盛を極めたクラブにあった熱量そのものと憑依する気がしており、様々な視点から捉えた「カルチャー」が入り乱れ、bums tokyoの中で混ざり合う様を、イベントを通して表現できたらと思っています。

 

 

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